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公開中 AI開発

carb-icr

血糖・食事・インスリンを記録し、集計を患者と医師の「共通言語」にする記録ノート。

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⚠ 本ツールは記録と集計の補助であり、表示される値はすべて参考です。診断・治療、インスリン投与量の計算、治療パラメータの決定は行いません。投与量・治療方針は必ず主治医の指示に従ってください。

なぜつくるのか

血糖管理は、判断の連続です。何を食べたか、糖質はどれだけか、いまの血糖はいくつか、何単位打つか。一つひとつは小さなことでも、体調が一定でない日々のなかで何度も繰り返すと、確実に消耗します。ほかの治療と並行しているときは、その負担がいっそう重くのしかかります。

そしてもう一つ。血糖管理は、どうしても孤独になりがちです。「なんとなく多めに打った」「なんとなく効きが悪い気がする」。その「なんとなく」を数字とグラフという共通言語に翻訳できれば、診察のときの会話はもっと噛み合うはずです。

このツールが目指すのは、大層な計算をすることではありません。日々の記録を、受診のときに医師と一緒に眺められる形に整えること。患者と医師のあいだに、事実をもとに話せる余白をつくること。そこに置いています。

何をするのか

やることは、突き詰めればシンプルです。

  1. 糖質を計算する — 炭水化物 − 食物繊維 = 糖質(ネットカーボ)を自動表示。
  2. 記録を集計する — 食事ごとの「糖質 ÷ インスリン単位」を、選んだ期間で、外れ値に強い中央値にまとめる。治療パラメータの逆算ではなく、主治医に見せるための記録の集計として。
  3. 受診の資料にする — 主治医用レポートを印刷し、グラフで傾向を振り返る。

血糖値・炭水化物・食物繊維などは手入力です。特定の測定機器や記録サービスに縛られない、汎用のツールにしています。

記録画面:食事タイプ・日時・炭水化物・食物繊維を入れると糖質を自動表示
記録画面(スマホ)。糖質は入力に合わせて自動表示。

つくり方の軸

設計の前に決めた、ぶれない原則があります。これがこのプロジェクトの性格を決めています。

  • 無料で、広く届ける — 同じ境遇の人に役立つなら、課金の壁は設けない。
  • 通信しない。プライバシー第一 — 入力した健康データは端末内にのみ保存し、サーバーへは一切送らない。
  • PWAで配る — アプリストアの審査を介さず、ブラウザで開いてホーム画面に追加するだけで、全画面・オフラインで使える。
  • 外部ライブラリゼロ・1ファイル構成 — グラフまで自前で描く。軽くて、長く保守できる。
  • ソースを公開する — 医療まわりの道具は、計算ロジックが見えること自体が信頼になる。

最初に制約を決めることが、後の自由をつくる。健康データを「通信しない」と決めたから、扱いに迷わずに済んでいます。

できること

糖質の自動計算

炭水化物と食物繊維を入れるだけで、糖質を即座に表示。毎食の最初のひと手間を、ゼロにします。

期間を選べる集計

食事ごとの「糖質 ÷ インスリン単位」を計算し、集計期間(7・14・30・60・90日/カスタム)を選んで、全体と時間帯別の中央値を表示します。集計の対象は、食前と食後の血糖差が ±30 mg/dL 以内に収まった食事だけ。これは「血糖がほぼ食前値に戻った食事で比を確認する」というカーボカウント指導の文献にある検証手順に基づく固定値で、出典も明記しています。あくまで主治医に見せるための記録の集計であり、治療パラメータの逆算や投与量の計算は行いません。

集計画面:集計期間を選び、糖質÷インスリン単位の中央値を全体・時間帯別に表示
集計画面(スマホ)。期間を選ぶと中央値が連動。表示は記録の集計値。

主治医用レポート

選んだ期間の記録と集計を、受診時にそのまま渡せる印刷レイアウトに整形します。短い診察時間でも、言葉にしづらい一か月の変化を、事実のまま差し出せます。

方式の期間管理

インスリンポンプ/注射(超速効+持効型)/混合型といった治療方式の切り替えを、期間として登録できます。方式が混ざって数字がブレないよう、期間ごとに集計を分けます。

振り返りのグラフ

糖質とインスリンの関係(散布図)、比の推移、1日総インスリン量(TDD)の増減、食前→食後の血糖変化を、4つのグラフで可視化。「なんとなく」を「傾向」に変えます。

4つのグラフ:糖質×インスリンの散布図、比の推移、TDDの推移、食前→食後の血糖変化
記録から傾向を読み取るための4つのグラフ。(表示は参考値)

どこで止めるか

このツールは、記録と集計に徹します。インスリン投与量の計算、効果値(ISF)やカーボ比の候補値の算出・推奨、独自式での逆算——治療判断に踏み込む機能は持ちません。判断するのは医師、アプリは資料を整えるだけ、という役割分担を機能の形で示しています。

  • 初回起動時に医療免責への同意を求め、同意するまで使えない。
  • 表示はすべて「参考値」「集計値」と明示し、投与判断は主治医に委ねる。
  • 計算はすべて公知の式・一般的な統計処理に限り、出典を明記する。確定できない計算は実装しない。

なお、医療機器プログラム(SaMD)としての該当性については、相談窓口への照会を予定しています。この線引き自体を含めて、開発の経過はブログに書いていきます。

これから

  • 出典の該当ページを確定し、集計の根拠をより明確にする。
  • 入力の手間をさらに減らす工夫。
  • 運営を続けられるよう、任意の支援(GitHub Sponsors)を受けられるようにする。あくまで持続のための補助であり、無料公開はそのまま。

血糖管理を、もう少しだけ軽くする

完璧な道具をつくることが目的ではありません。使う人の毎日に寄り添い、記録を整え、患者と医師の会話を少しだけ滑らかにする。その小さな手助けを、無料で、安心して使える形で続けていく。

数字を、共通言語に。それが、このプロジェクトの願いです。